未来の食卓を
幸せなものにするために

2016年、当ファンドはオイシックス株式会社(当時)が運営するCVC※1「Food Tech Fund(フードテックファンド)」としてスタートし、ITで自動冠水・施肥を行う「ゼロアグリ」を開発したルートレック・ネットワークス株式会社、海外向けに果物の輸出に取り組む日本農業株式会社などに投資してきました。

しかし、日本には食に関するスタートアップの数が少なく、食品企業としてのIPO事例も稀なためExitの期待もできず、ファンド運営の難しさを感じていました。

※1 CVC(コーポレートベンチャーキャピタル):事業会社が運営するベンチャーキャピタルファンド

一方アメリカの状況をみると、ミールキット、代替肉などの新しい食文化や、たくさんの食品スタートアップ企業が生まれ、大きく成長してきています。
日本とは何が違うのか?
追求していくと、いくつもの理由がありました。

ひとつは、サンフランシスコで出会った「KITCHENTOWN」の活動です。
KITCHENTOWNは、食に特化したコワーキングスペースを運営しています。食品工場も併設されており、入居していれば時間単位で利用し、商品を製造することができます。そのため、入居したスタートアップは少ない初期投資で食品関連の起業をすることができるのです。
さらに投資家や研究機関、大企業を集め、ネットワーキングすることで、スタートアップ企業が成長するのを助ける“食の情報拠点”としての性格も持っています。

資金調達においては、食品専業のベンチャーキャピタルが200社も存在していたり、成功した起業家がシード(起業初期のステージ)投資を行っていたりと、選択肢が多くあります。

食のスタートアップである「Beyond Meat」や「Blue Apron」がIPOをしたり、「Blue Bottle Coffee」をネスレがM&AしたりというExit事例も増えており、 「Whole Foods Market」がスタートアップ企業の商品を積極的に販売するなどの取り組みも、スタートアップの成長にとっては重要な後押しとなっています。

起業から成長へのプロセスにおいて、これらのエコシステムが存在することはとても重要です。

私たちは、ファンド運営と並行して、日本におけるベンチャーエコシステム(=スタートアップが成長する環境)の実現を目標としています。

まず販売先として、「Oisixクラフトマーケット」をオープンしました。
まだ販路の少ない国内外のスタートアップや、小規模な会社が製造する手作りの商品の販売を支援していきます。
手始めに、KITCHENTOWNに入居するスタートアップが作る「The Yes Bar」を販売開始したところ、想定を大きく上回る売れ行きでした。
国内外を問わず、スタートアップの商品を積極的に取り上げることで、市場の盛り上がりを醸成していきます。

日本版KITCHENTOWNのような場所づくりも検討しています。
食に関わる起業家や事業会社が集まり、イノベーションを生み、スタートアップの支援を行う場所を準備しています。(詳細は決定次第発表いたします。)

◇  ◇  ◇

いまの日本では、まだ食品企業でIPOをするのは容易ではありません。
出資していただくLP企業の皆様と一緒に、事業会社が持つノウハウやネットワークを活用し、出資先企業の成長を支援していきたいと思っています。
Exit先として、事業会社との資本提携やM&Aといったことも想定し、そのためのネットワークづくりにも力を入れていきます。

これらの活動を通して、日本の食領域におけるスタートアップの活躍と、より多くの人がよりよい食生活を楽しめる世界をつくる一助になれば幸いです。